またもレイプで逮捕された「元東大医学生」


 悪夢は再び繰り返された。
 先月4日、埼玉県蕨署に強姦致傷容疑で逮捕されたのは森弘行(29)。
「森は平成12年5月にも、強姦事件を起こしています。当時は東大医学部の現役学生でした。別れ話を切り出した恋人に腹を立てた森は、彼女のマンションで待ち伏せし、帰宅したところを狙って部屋へ押し入ったのです。恋人が抵抗すると、髪の毛を鷲摑みにして、平手で彼女の顔を殴って脅し、暴行に及びました」(捜査関係者)
 恋人からの通報を受け、翌日に森は逮捕される。そして、同年12月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が下されたのである。
「裁判では、暴行など5件の検挙歴があることも明かされました。しかし、被害者が赤の他人ではなく、示談金の支払いにも応じた為、執行猶予となった。大学も判決の直後に"自主退学"しています」(司法記者)
 一度は更生を誓った森だが、またもや女性をその毒牙にかけたのだ。しかも、今回の一件以外にも余罪がある可能性が高い。
「森が逮捕された後、私が付き合っている女性に蕨署から連絡がありました」
 とは都内在住の男性。
「警察が森の自宅から押収した携帯電話やパソコンの通信記録から、彼女の連絡先が出てきたそうです。彼女を問い質すと泣く泣く被害を認めました」
 この男性の恋人は、昨夏、花火大会で森から声を掛けられた。その際、森は"ヨシノトシヤ"という偽名を名乗り、「東大出身でネット事業をしている」と話したという。暴力的なやり口はこれまでと全く変わらないものだった。
「居酒屋に誘われた彼女は、ベロベロに酔わされてホテルに連れ込まれたそうです。そして、頭を何度も床に叩きつけられ、レイプされた。彼女のショックは大きく、その時は名乗り出ることが出来ませんでした」
 男性は恋人と共に蕨署を訪れ、事情聴取を受けた。
「刑事さんは、通信履歴から分かっただけでも被害者が2桁に上るのではないかと話していました。押収された資料では名前ではなく、女性を"色白痩せ型"、"マリンスポーツ"などと身体的特徴や趣味で偏執的に分類していました」
 情状酌量の余地はない。

週刊新潮』2007年5月17日号

報道されない「東大医学生」の酷いレイプ事件

報道されない「東大医学生」の酷いレイプ事件

 女にフラれりゃ腹も立つ。だが、痴情のもつれで女性に暴力を振るい、レイプに及んだら、これは立派な犯罪である。先ごろ、そんな卑劣漢の裁判が開かれたが、なんと被告人は東大医学部の現役学生だった。

 東京地裁511号法廷に、若い小柄な男が現れたのは、さる7月14日である。
「日焼けした顔で髪をオールバックにしていました。ジャニーズ系のタレントのようないい男でしたね」(傍聴人)
 裁判官に職業を尋ねられた男は、
東京大学医学部5回生」
 と胸を張ってこう答えた。2カ月も前に婦女暴行で逮捕されているのだが、コトここにいたっても、この事件は報道されていない。
 事件が起きたのは5月15日の夜。東京都文京区内に住む女性から、涙交じりの声で110番通報があった。
「殴られ、殺されそうになり、レイプされたのです」
 警視庁の捜査員が、女性の住むマンションに駆けつけると、
「被害者の女性の腕に赤い引っ掻き傷があり、着ていたワンピースからボタンが取れていたんです。医師の診察を受けさせ、強姦の事実を確認しました」(捜査関係者)
 翌5月16日の早朝、逮捕されたのは新宿区内に住む平野正(22)=仮名=。東大医学部に在籍する学生である。交際していた山下文子さん(21)=仮名=が別れ話を持ち出したのに逆上し、暴力を振るった挙句、強姦したのだった。
 奈良県出身の平野は、二人きょうだいの兄として育った。地元の私立高校に進学したが、1年で中退。大学入学資格検定(大検)を経て、平成8年東大理科III類に合格した。
「負けず嫌いで、プライドの高い男でした」と知人は言う。
ガリ勉タイプではなく、けっこう女子学生とも遊んでいて、学内でも付き合っている子がいましたね」
 平野が交際していた女子学生の一人が、山下文子さんだったのである。
 文子さんは鹿児島生まれ。地元の高校から平成10年東大文科II類に現役で合格。この4月から専門課程に進んだ彼女は、本郷のキャンパスに通学が便利な文京区に引っ越してきたばかりだった。
「彼女と平野は半同棲状態でした。文子さんは彼に、マンションの鍵をわたしていたんですよ」(先の知人)

ホンマに殺すよ

 しかし、二人の蜜月は長くは続かなかった。平野が住むマンションの住民が言う。
「彼の部屋は、女の子の出入りが激しかったですね。ある時など、二人の女性が鉢合わせになり、大喧嘩になったことがありました」
 そんな男に愛想を尽かし、文子さんが別れ話を切り出したのは5月3日である。
「頭に血がのぼった平野は、暴力を振るい、ストーカーまでするようになりました。身の危険を感じた文子さんは、部屋の鍵を取り替えたほどです」(彼女の知人)
 だが、この東大医学生は執拗だった。
「平野は5月15日の夜、彼女のマンションの階段に潜んで待ち伏せしていました」
 と先の捜査関係者。
「帰宅した文子さんが、ドアの鍵を開けたとき襲われたのです。室内になだれ込んだ平野は、嫌がる彼女のワンピースの裾をめくり上げ、下着に手を伸ばしました」
 文子さんが抵抗すると、
「平野は、彼女の髪の毛をつかんで引っ張ったのです。さらに、平手で文子さんの顔を殴ったり、頭を床に叩きつけたりしました」(同)
 そして、馬乗りになった平野は、彼女の首に両手をかけこう脅したのである。
「ホンマに殺すよ」
 この一言で、文子さんはすっかり観念したのか、医学生のなすがままになった。
 事後、平野は吐き捨てた。
「おまえとは、最初から恋愛じゃなかったんだ」
 東大医学部当局は、刑の確定まで処分を保留するというが、こんな男に医者になられては、たまらんね。 

週刊新潮』2000年8月3日号